ザック・スナイダー監督、真の脚本、「ジャスティス・リーグ」オリジナル版やナイトメアシーンの真実について明かす






ザック・スナイダー監督作品のディレクターズ・カットを上映するイベントが行われた。イベントでは監督や出演者、映画クルーとのQ&Aもあった。スナイダー監督が語ったスナイダー版に関する内容をScreenRantComic Bookが報じている。

スナイダー監督が家族に起きた不幸から途中降板。劇場公開された「ジャスティス・リーグ」は再撮影の脚本を担当したジョス・ウェドン監督が再撮影と編集を行った物であった。しかし、それとは別にほぼ完成しているスナイダー版がある。この2つの内容は異なっているとこれまで判明している。

今回のQ&Aでスナイダー監督は、それらとは違う別の脚本があると明かした。しかし、それは「バットマンVSスーパーマン」への批判から採用されず、その脚本を用いて撮影するはなかったと語る。撮影されたスナイダー版はオリジナルの脚本ではなかったという新事実が明らかとなった。

この他にも、オリジナル版で描こうとしていた内容をスナイダー監督は語っている。話したのは「バットマンVSスーパーマン」のブルース/バットマンの悪夢(ナイトメア)で描かれた"悪に堕ちたスーパーマン"と"フラッシュの警告"に関係する内容だ。劇場公開されたバージョンでは、ナイトメア関連の内容は描かれなかった。

*以下、便宜上、オリジナル脚本のバージョンをオリジナル版と書く(真スナイダー版とする方がカッコイイかな?)

スナイダー監督が撮影したスナイダー版はオリジナル版ではない


「バットマンVSスーパーマン」公開前に、脚本のクリス・テリオとスナイダー監督は「ジャスティス・リーグ」の脚本を書き終えていた。しかし、「バットマンVSスーパーマン」が批判され、スタジオはナーバスになり、内容の変更を求めた。監督いわく、オリジナル版は「本当に恐ろしいバージョン」であったそうだ。撮影されたスナイダー版はオリジナル版ではないと述べた。

スナイダー監督がいう「恐ろしいバージョン」はコンセプトアートでそれが感じ取れる。



スナイダー監督「ナイトメアシーン」の真実を語る


オリジナル版では、ポストアポカリプスの世界の中、ダークサイドによるロイス殺害を防ぐため、それをフラッシュがバットマンに伝えるべく、過去へ送り出そうとする内容を描く予定であった。

ダークサイドにより地球が征服された未来の世界では、ロイスが殺害され、スーパーマンが悪に堕ち、反生命方程式(the Anti-Life Equation)に屈した(補足は下記の関連リンク)。そんな中、生き残ったジャスティス・リーグのメンバーであるバットマンと半壊したサイボーグはコスミックトレッドミルを使い、フラッシュを過去へ送るという案を考え出す。



フラッシュを過去へ送るのは、ダークサイドがブームチューブを使いロイスを殺害しようとする前にフラッシュがバットケイブに到着し、ロイスの危機をフラッシュを通じて警告するため。

成功させるにはフラッシュを正確な所へと送らなければならない。過去へ戻るための窓(選択肢という意味でいいだろう)は2つある。バットマンは「バットマンVSスーパーマン」で描かれたフラッシュの警告「ロイスが鍵」「早すぎた」が未来の事であったと理解し、サイボーグがどっちを選ぶかを尋ね、サイボーグが選ばなかった方を選択する。バットマンはサイボーグが選んだ方が「早すぎた」という結果になると理解していためである。

タイムジャンプには2つの可能性があり、1つは「バットマンVSスーパーマン」で描かれた。もう1つはオリジナル版で描かれる予定であったと判明した。



この他にも「ジャスティス・リーグ」の本編にはなく予告にあった映像についてスナイダー監督は説明しており、バットマンとワンダーウーマンの会話シーンがあったとそうだ。以前にスナイダー監督がバットマンのセリフ「something darker(もっと恐ろしい事だ)」について、ダークサイド関連とほのめかした箇所(下記の関連リンク3つめ)である。フラッシュの警告「ロイスが鍵」についてを2人が語り合うシーンで、ワンダーウーマンはロイスはスーパーマンへの鍵だと言うが、バットマンは「それ以上のものだ、もっと恐ろしい事だ」と話す内容であったそうだ。

オリジナル版は採用されなかったが、その中のいくつかはスナイダー版の脚本にも残っているのだろう。




脚本には少なくても3つのバージョンがあり、「採用されなかったオリジナル版」、「スナイダー版」、「劇場公開版(ウェドン改訂版といった所か)」があったとわかった。調べ直さないとわからないが、「バットマンVSスーパーマン」公開後から「ジャスティス・リーグ」撮影までの期間は1・2ヶ月だった気がする。わずかな時間でどこまで書き直したのかは気になる。この他にも気になるのは、スナイダー監督が今のDCEUに実際どこまで関わっているかである。これらをいつか明かしてもらいたいものだ。

残念だがオリジナル脚本版は撮影されていないため映像はない。だが、スナイダー版は未完成であるが存在する!スナイダー版がリリースされる事を強く望む。ワーナーが出せば儲かるとわかるまで、声を上げ続けなければならないし、見たいという人を増やし続けなければならない。


Source: ScreenRant, Comic Book